2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧
遅くなりましたが、玄文社では4月30日、「北方文学」第73号を刊行しました。 今号も264頁の大冊となりました。長編の研究、評論の連載が続いていますので、どうしてもページ数が多くなってしまいます。今号も評論中心の構成になっていますが、なん…
荒俣宏という人はあの平井呈一亡き後、英米の恐怖小説に関しては日本で最高のアンソロジストであり、翻訳家であると思う。 河出文庫のこの『アメリカ怪談集』は1989年の発行であるが、21世紀も10年以上が経過し、恐怖小説のアンソロジーも出尽くし、…
ポール・ボールズの「私ではない」について書くと約束していたので、そうすることにする。実はこの『アメリカ幻想小説傑作集』は、1973年に同じ白水社から出た『現代アメリカ幻想小説』に収められた16編の作品から、4編を残し、新たに6編を加えて編…
幽霊屋敷譚にこのような転倒を導入したのは、ヘンリー・ジェイムズが初めてだっただろうし、それがヨーロッパとアメリカという二つの世界に関わる文明論的な背景を持っていることも、ジェイムズが並の恐怖小説作家ではなかったことを十分に証明している。 い…
「過去の自分に対面するためなのであろうか……」と私は書いた。しかし、そうではなく、ブライドンはもし33年前ニューヨークを離れなかったとしたら、そうなったであろう自分自身と対面するために、古い屋敷に足繁く通うのである。 ところで、この分身の問題…
10編の作品の中で私が最も凄いと思ったのは、ヘンリー・ジェイムズの「なつかしい街かど」であった。この作品は様々なアンソロジーに収載されていて、すでに2回は読んでいる。 ポプラ社の「百年文庫」にも入っているし、ヘンリー・ジェイムズの短編集にも…
フアン・ルルフォの『燃える平原』について書き継いでいこうと思っていたのだが、『ぺドロ・パラモ』についてもそうだったが、私にはうまく書けそうもない。ひとまず保留としておきたい。 ところで、The Mysteries of Udolphoを3か月かかって読み終え、解放…
『燃える平原』は17の作品からなる短編集である。どの作品にも過剰な暴力と悲惨な死が描かれている。それはフアン・ルルフォ自身が体験した、メキシコ革命以降の混乱の時代を反映している。 ウルグアイのオテロ・キローガの短編作品も、そのほとんどが死を…
3か月もかかってしまったが、ようやくAnn Radcliffe The Mysteries of Udolphoを読み終えることが出来た。上巻336頁、下巻344頁、合わせて680頁の大冊であった。途中くじけそうになったこともあるが、大衆小説的な話のおもしろさに助けられて、何…